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夏祭りのシーズン到来。
まだ梅雨時なのに?と思うでしょうが、企画側はもう動き出しているよう。少子化のご時世ですが、私の住まう地域はそれなりに子どもが多いので、夏休みの初めから終わりまで、毎週どこかの子ども会主催の夏祭りがあるのです。
子どもらはいいけど、大人はタイヘンですな^^;。
夜市 (角川ホラー文庫) 恒川 光太郎 角川グループパブリッシング 2008-05-24 売り上げランキング : 18430 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これからの季節にぴったりな1冊。
幻想的なホラー小説。表題作の『夜市』と『風の古道』が収録されております。
核心には触れてない^^『夜市』あらすじ。
“夜市”は異界に開かれる“オバケ市”。
裕司は高校時代の友人である“いずみ”を誘って夜市に出かける。子どもの頃、一度だけ夜市に来たことがあるという裕司は、その異界の祭りが開かれる夜を感じ取れるのだと言う。その言葉通り、確かにその夜市にたどり着いた裕司といずみだったが、裕司は大切なことを忘れていた。それは、「夜市を訪れた者は、何かを買わなくては市から抜け出すことが出来ない」という絶対のルール。
責め立てるいずみに、ぽつりぽつりと裕司が語りだしたのは過去の話。
・・・子ども時代、田舎の神社のお祭りに出かけた際、夜市に迷い込んでしまった裕司。客も店を開いているのも、この世のモノではでない異形達。また、広げられた売り物も“老化が早くなる薬”だの“あらゆる生き物の首”だったりと不気味なものばかりで、しかも100万円だの1億円だのとベラボウに高額。でも、取引しなければ永遠に夜は明けず、市を彷徨うことになるのだと聞かされる。
買い物が出来るだけのお金を持っていなかった裕司は、物々交換という形で取引を成立させて無事脱出を果たしたこと、そして、失ったモノを買い戻すために再び夜市を訪れだのだと言う。。。
さて、ホラー小説大賞を獲ったこの作品、巻末に荒俣宏さん、高橋克彦さん、林真理子さんらの選評が掲載されているのだけれども、口を揃えて仰る通り、確かに予想外の展開&ラスト。短いお話といってもいいくらいなのに、ものすごく長いお話を読んだ様な印象。
以下、ネタバレ感想。
お祭りの出店には魔法みたいなものがあるよな、と思う。裸電球のオレンジの光に照らされ、整然と並んでいた時には魅力的に思える様々が、手に入れた途端に色褪せてしまうのは、きっとその魔法は品物が“そこ”にあるときだけしか有効じゃないから。
弟と引き換えに裕司が手に入れた“野球の才能”も、夜市からの脱出が目的だったとしても、その場では魅力的に見えたのだろうと思う。でも魔法がとけてしまえば・・・それはくだらないものだったに違いなく。
もともと弟なんて存在していなかったんだ、と思い込むことだってできた。証拠はない。いっそ全て夢だと思ってしまえたなら、裕司が冷たい人間だったなら、まるで違ったお話になっていたろう。
・・・神社の夏祭りってどこか不気味だとは思いませんか。子どもの頃、神社の夏祭りには家族で繰り出しましたが、非現実の空間に高揚しつつ、同時に得体の知れない怖さもまた感じたものです。赤く大きな鳥居から社殿近くまで出店が立ち並ぶ参道は、それこそ昼間のように明るく、歩けば誰かと肩が触れ合うくらいの人、人、人。それなのにメインの道をちょっとそれると不意に人の気配が遠くなって、真っ暗になる(それなりに大きい神社でした)。一体どっちがリアルなんだろうかと。
一夜明ければ単なる神社なんですけどねー^^;。