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おとなの(?)読書感想文。 絵本から児童書、時代モノ、how to本、ミステリーetc...。あなたの道標になったら幸いです。
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ホラーアンソロジー『舌づけ』、ミステリーアンソロジー『緋迷宮』、そしてお口直しに『一日江戸人』を読む。

お鍋を火にかけてる時間。
昼ごはんを食べてる間。
塾の待ち時間。
寝る前。

・・・などなどが私の読書時間だったのだけど、娘が学校に行くようになって、ちょっと生活が様変わり。子どもらが出て行った後、最低限の家事をしたら、仕事があれば延々仕事をしているのだけど、何もなければ本が読めちゃうのだ~^^。やっほぅ。

『舌づけ』。
表題であるこれは1作目、菊池秀行さんの作品です。全編、「世にも奇妙な物語。ちょっとグロもあるよ!」って感じの本。背筋が凍る怖さではなく、胃が重くなる感じ。どれもこれも後味はハッキリ言ってよろしくないです(笑)。祥伝社だしなぁ・・・(?)。どれも短いお話なので、短時間で読めます。私的には「のっとり」が一番怖かった、です。
・・・「私」は姑がボケていると思っている。姑は「嫁」の頭がオカシくなってしまったのだと言う。最後まで、どっちが正しいのかわからない。最後まで。今もわからない。ココが、怖い。
画像なしでした。

1.「舌付け」・・・・・菊池秀行
2.「影の国」・・・・・小林泰三
3.「長い冬」・・・・・北川歩実
4.「のっとり」・・・山崎洋子
5.「青い骨」・・・・・山田正紀
6.「恋人」・・・・・・・加門七海
7.「弄月記」・・・・・赤江 漠
8.「口封じ」・・・・・乃南アサ
(敬称略)


『緋迷宮』。
これは宮部みゆきさんをはじめとする、女流作家さんのミステリーアンソロジー。どれもこれも・・・なんか粘着質で、上に挙げた『舌づけ』と後味の悪さはいい勝負。事件が解決しました!ってな爽快感ゼロ。ラストは犯罪者が嗤ったりもする。或る意味ホラー。あ、これも祥伝社でした。やっぱ、画像ナシ。

1.「おたすけぶち」・・・・・宮部みゆき
2.「カラフル」・・・・・永井するみ
3.「かもめ」・・・・・森 真沙子
4.「恋歌」・・・明野照葉
5.「彼女に流れる静かな時間」・・・・・新津きよみ
6.「ピジョン・ブラッド」・・・・・・・篠田節子
7.「葡萄酒の色」・・・・・服部まゆみ
8.「鉄輪」・・・・・海月ルイ
9.「船上の悪女」・・・・・若竹七海
10.「一人芝居」・・・・・小池真理子
(敬称略)

一日江戸人 一日江戸人
杉浦 日向子

新潮社 2005-03
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『一日江戸人』。江戸の雑学満載の本。知ってても知らなくてもいい知識なんでありますが、非常に楽しめる1冊。「旅籠の客引きテクニック」だの「銭湯の常識(←江戸時代の)」だの、ホント、どーでもいいことなのですが、イラスト付で解説されていて面白いです。また、酒の肴・豆腐の料理法など丁寧に解説されてまして・・・ちょっとソノ気。この本片手に江戸人して遊ぼう思います^^。

 

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まもなく3月だってのに寒い。特に夜。
季節がひと月分くらいズレちゃってませんかね。
なんて思ってたら、手袋、失くしました。多分落としました。何故か2セットまとめて見当たらない。
お店の売り場で見たら、処分価格で500円。心は揺れたけど、買った途端に出てきちゃったり…いやいや、買っちゃったら出てこないかもしれんという気がして、買わなかった。手袋にわけわからん義理立て。

さて、今日は…季節外間違えちゃった感たっぷりの、恩田陸さんの『ネクロポリス 上』を。
↓ネタバレてます。

ネクロポリス 上 ネクロポリス 上
恩田 陸

朝日新聞社 2005-10-13
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舞台は海外、イギリスのどこか。架空の都市であり地区(モデルは不明)。
…なので、紅茶だのマフィンだのといった「いかにもアイテム」がしょっちゅう登場してますが、メインキャストは日系何世みたいな方々。最初は物語中の様々な日本式と英国式のフシギな折衷具合にちょっと戸惑うのだけれども…日本人とイギリス人、見た目はまるで違うけど、「神経質っぽい」とことか「真面目っぽい」とこが似てるかも、なんて思えてきて納得。

V.ファーに住まう人々は、毎年「ヒガン」と呼ばれる祝祭に、故人(「お客さん」と称する)との対話を求め、死者と再会できる聖地、アナザー・ヒルへと赴きひと月を過ごします。「ヒガン」=あの世、の意なんでありましょうが…中身的には「オボン」、『黄泉がえり』。
ヒルは国に保護され、学術調査や警察権力など、外部干渉が一切遮断された完全なる自治区であり、立ち入ることを許されるのはVファーの出身者、血族のみ。

ある年、首都では「切り裂きジャック」の再来的、猟奇殺人事件が頻発。
“ヒルを訪れる「お客さん」は嘘を言わない”ことから、警察は殺人事件絡みの「お客さん」の話=証言を得、事件の一挙解決を狙っている。。。
そもそも「ヒガン」をイベント的にとらえているV.ファーの人々は、そうした一連の事件の被害者に遇うこともまた“楽しみのひとつ”として捉えているのだけれども…ヒルへの入り口、言っうなればあちら(彼岸)とこちら(此岸)のあわいに連続殺人事件の被害者と見られる死体が発見され、いよいよ物語は怪しくなってくる。

…東大の大学院にて、民俗学よりな文化人類学を学ぶジュン(ジュンイチロウ)。彼もまたV.ファーに縁あるもの。探究心から、遠い血縁である「ハナ」「マリコ」そして当地の大学教授である「シノダ」を頼り、アナザーヒルへ。。。
例えば集団催眠・ヒステリー。しかし「お客さん」をきっぱりと否定することも、肯定することも出来ないジュン(知的階層、インテリであり、また彼の優しい性格からして)。
…とかなんとか、彼の周りにはリアルな「お客さん」が続々と現れる。。。
わ、やだな。あいたくないよ。


ところで、上の巻では「ネクロポリス」って言葉、出てきませんでした。都市国家ポリス?っつーのを歴史で習ったような気もするな、イメージ的にはそんな感じ?
調べたら…ネクロポリス=「死者の都」だそうな。しかし、これはエジプトの話…え?!、今度はえじぷとでありますかぁ~^^;。
ちなみにテーベ=「生者の都」とは対となるそうです。フーン。。。

こういう探究心が中高時代に持ててたらね~^^;。はっはっはっ。



「空は、今日も、青いか?」(石田衣良)
「ネクロポリス 下」、本日、受け取り。どちらもかなり前に…特に石田さんのは夏から予約してた本。読む本に不自由していないときに限って、予約本は届く。。。

レイ・ブラッドベリを読むのだ~。

『火星年代記』は近所の図書館にはなく(ちょっとホッ)、予約。著者のコーナーはない模様。
ただ、1冊だけあったのが『二人がここにいる不思議』。短編。
これは、ブラッドベリ初心者の入門としてはよかった。
S=少しだけ、F=不思議な世界あり(by:藤子・F不二雄)、暗さなど微塵も感じさせず、しかし読後、ぞぞぞと背筋が凍る話、ファンタジーと盛りだくさん。どれも面白い。

二人がここにいる不思議 二人がここにいる不思議
レイ ブラッドベリ Ray Bradbury 伊藤 典夫

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印象に残った話を少しばかり。

一番好ましく思ったのは「トインビー・コンベクター」。
「…湖や川はきれいになり、イルカは救われ、クジラの数は増えていた。戦争はなくなり、打ち上げられた太陽衛星が世界中に明かりをともし、月には人が住み…」と、トインビー・コンベクター(タイムマシン)を駆り、100年後の地球を見てきたただ一人の人間、当時30歳だったタイムトラベラー、クレイグ・ベネット・スタイルズは語った。やがて100年の月日が流れ、世の中はタイムトラベラーが「見てきた通り」に様変わりしている。
いつか見た、ミライがそこにあった。
そして、齢130歳になった老タイムトラベラーが語る真実。
嘘からでたまこと、という諺はアメリカにはあるのかな。。。

「バンシー」。
しょっぱなっからホラーテイスト。嵐の夜、若き脚本家が映画監督の家を訪ねるのだけれども…外にはバンシーなる幽霊がいる。バンシーとは歳老いた女の霊だそうな。…でもね、怖いのは身体をもたないバンシーではなくて、生身の人間であることを思い知ることになるのだ。

表題作の「二人がここにいる不思議」。
私のトラウマ怪談話ナンバー3に入っている「猿の手」を彷彿。実はこの話、読み終わって、しばらくたってから怖くなった。読んでるときは終始和やか、爽やかムードでで気が付かなかった。読み返すとそれが逆にめちゃめちゃ怖いってーの。
(でも、「怖がり見たがり」の私としては、ホラータッチの話は外せない)


さて、ここで弱音を吐く。
図書館でリクエストしてた、『火星年代記』届く。
持ち帰りの焼き鳥屋でオーダー入れて、待つこと10分強。その間に「前書き」しか読めなかった私。名作と誉れ高い作品を前に、尻込み。おとーさんからは「次、貸してね」と言われている。先に読んでもらえばよかったな…。
「1999年1月、ロケットの夏」。頑張るぞー。

さらに、「チョコレートをたべたさかな」…他がどっかり届く。
果たしてこれは「単なるいい話」か、と疑問に思う。私は理屈っぽい方である。でもこれはなぁ。。。
考えがまとまらないので、また後日。
こjの絵本、「鉄コン筋クリート」、シロの愛読書であるという書き込みを見た。アジカン抜きにして(ファンなのだ)、こっちも見なくちゃ。。。

日頃お世話になっておるので、こんなこと言っちゃうのは忍びないのだが…
送料取りすぎです!a○azonさん!!

最近、楽○ブックスとa○azonで立て続けに買い物をしたのでありますが、かたや「送料無料、他の売り場でためたポイントも使えまっせ♪」に対して、「お買い物総額1500円で送料無料」とはなんたる違い。
・・・今回、たまたま欲しい物がひとつで、あとわずか、200円ばかりで1500円に届かなかった。悔しい。
バーゲンコーナーなんかも見てみたけど…200円の品はないなあ、さすがに。

「息子や、ほしい本はないかね?」
「えーとね、○○○ー」
「漫画じゃん(しかも長編、連載中の模様)、お小遣いで買いなさい」
「んー、じゃー星新一の本」(←長らくハマリ続行中)

と、言うわけで・・・息子のために、星新一さんの著作の売れ筋上位の本から1冊選び、自分の本とあわせて購入。商品の、税込み合計金額を見てハメられた様にも思いながら、息子を喜ばせてあげよう!と自分を納得させ。。。翌々日。

「本、届いたよ~^^」
と、息子に本を差し出すと…
「ごめんね…」という。ど、どーした、オイオイ。
「これ、さっき図書館に返してきた本。読んだばっかり」
…どひゃー!!! そりゃないよ~~~!!!
…ごくたまに、私と息子の心はリンクする。う・う・う。
私、読みました。何せ、息子は「読んだばっかり」なので(T^T)。

というわけで、今日は星新一さんの『おーい でてこーい』を。

おーいでてこーい―ショートショート傑作選 おーいでてこーい―ショートショート傑作選
星 新一

講談社 2001-03
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ショートショートなので、いつもの調子で書いてしまうと、ちょこっとネタバレどころか、全バレになりそうなので、中身については触れません(大いに語りたいのだが)。
SF作家加藤まさしさん(実は知らない人だったり)による選出作品と…ファン投票の上位作を収めたこの本、うむむむ、面白いなー、これ(息子に先を越されたのが、ちょっと悔しい母でありました…)
熱烈なるSFファンが支持した作品は「うわ、きっついラストだなあ~」という作品群(私個人としては特に「処刑」。こりゃ具合が悪くなるくらい、コワかった…)。
逆に「ああ、なんていい話だろう」と思った数編は、加藤さん選(「愛の鍵」「ある夜の物語」など)。
大きく分けてそのふたつのタイプの話が、絶妙に配置されている感じ。
ちなみに挿絵は「まめうし」「たまごにいちゃん」などを描かれている、あきやまただしさん。

面白かったよ。面白かったさ。
て、ことは、だ。結局のところ、私は得をしたのか。。。
私もきっとブラッドベリを読もう。正統なSF。きっと感想は書けないと思うけど。

よいクリスマスをお過ごしになられたでしょうか^^。
おばサンタは無事に務めを果たし、今日は頂き物のワインをちびちび、しばしの現実逃避です。

さて、今日は全制覇を狙っている(と、いうわけでもないのですが)恩田陸さん著作、『三月は深き紅の淵を』。
むー…感想の書きにくい本、でありました。好き、嫌いがハッキリ分かれる本ではないかと思います。不思議なというか、狐につままれる、と言うか、そんな気分。

三月は深き紅の淵を 三月は深き紅の淵を
恩田 陸

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『三月は深き紅の淵を』とは、タイトルであり、4部作中、それぞれの話の核として必ず登場する“本”の題名。異なるお話の中で、唯一絶対のルールです。けれども、それは同じ本ではなく、お話毎に全く別のもの、別の本として登場します。

その『本』のイメージは、ひとつのお話毎に、そりゃもう鮮烈な印象でもって描かれておりまして…読者はその圧倒的な存在感を引きずりながら、全くことなる『三月は…』について書かれた、別のお話を読むことになるわけです。
特に4つ目のお話「回転木馬」は例えるなら…しつこい輪唱、あるいは回転カノン。(あくまで私の感覚ででありますが)それぞれの音がハッキリ聞こえて来るので、かなり混乱しました。著者さんの狙いでありましょうが…正直に言っちゃうと、読みにくいことこの上なし^^;。もう一度、読んだら違う風に読み取れるのかもしれないけれど。『麦の海に沈む果実』『黒と茶の幻想上・下』として、上の「回転木馬」の同登場人物による本が書かれているので、とりあえずこちらも読んでみます・・・。

感想を書きにくいと思う本。
当然、難解な本。
逆に思い入れがあり過ぎる本(うっかり、ネタばれし過ぎちゃう^^;)。
それでもどうにか記録に残そうと思うのは、まず、私がうっかり2度借りの名人だからであり、また読みたいんだけど、場面は覚えていても題名が、作者が思い出せない本、というのがあまりにも多すぎるからだったりします。先日、Kahiroさんにいただいたコメントのコバルトの話で、ふと、新井素子さん著の“あるお話”を断片的に思い出したのですが…はて、何というんだったか? 
もう一回、読みたいんだけどなぁ、思い出せな~い(><)!!

 私はちょっと、腹を立てている。
昨日の夜中、ここはメンテナンスがあったのだ。
でもって。気が付かなかった私が多分、きっと、悪いんだが・・・「記事の投稿・保存ボタン」をぽちっと押したら、書いたものが丸々消えてしまったのだぁ。
 
 気を取り直して再び、書きまさぁ~

さて、今日も怪談・奇談をご紹介。
ナントカ言う教授によれば、適度な恐怖は脳にいいんだとか・・・(aha体験と言うらしい)。

・・・ホントかね。



日々是怪談

著:工藤 美代子
出版社:中央公論新社




 “今年の怖い話大賞”でもあげちゃいたいくらいの本(←私の中でですが)。
著者の工藤さん、ノンフィクション作家でいらっしゃる方なのですが、“見える人”だそうな。可愛いと思って購入した骨董の人形が実はヤバイ品だった、とか日常の中で体験した怖い話を、さらっと、時に面白おかしく書いている・・・工藤さん本人はあまり怖がってないように思われるのですが、逆にソレが凡人たる私にゃめちゃ怖いっす^^;。

猫目夜話

著:桂木 祥
出版社:講談社




 こちらはヨソ様のブログで紹介されていた作品です。
主人公、音々子は普通の人には“見えざるものが見えてしまう”女の子(お気の毒^^;)。そんな彼女が住まう街では、何故か秋祭りの頃、10月になると幽霊が集まってくる・・・。
 鎮守の社に住まう猫又レキ、従兄弟の市松らと共に、“学校の七不思議”の真相を追うというお話。学校の七不思議とかいうと幼い印象うけますが、中々どうして、「図書のぞき」だの「オカネさん」、怖~い。

乙女っぽい感じのイラストではありますが・・・中身は本格的。恋愛話が一切ないところも非常にヨシ。しかし音々子の脇を固める男性陣、多分、イケメン設定だと思われます。大いにヨシ。
『そぞろ迷図 猫目夜話(2)』、は予約中、楽しみです^^。

 

 

贈る物語 WONDER

編:瀬名 秀明
出版社:光文社




「これすごく面白いよ、読んでみなよ」
と、息子が私に差し出したのは星新一さんのショートショート。
学校の図書室で借りたのだそうです。
SFのショートショートを置いてるなんて、実にイケてる図書室だ。
と、言うわけで、

今日は『贈る物語 WONDER 瀬名秀明=編』を。もちろん星 新一さんの作品も入ってます^^。


「SFとは。少しだけ不思議の略です」
とは、藤子・F不二雄さんが言われたのだそうですが、この本はホントにそんな気持ちで、軽い気持ちで楽しめる本です。少しだけ不思議なことなんて、日常に山ほどあることですからね。宇宙船の内部や異星人の風貌なぞ想像できなくともいいのです(火星人はきっとタコっぽいんだろうなー・・・位の想像力しかない私が言うのですから、間違いありません!!)。
次はこの本を読んでみたらいいよ、なんて選者、瀬名秀明さんの親切な解説もついているので、2度、3度、美味しい本だと思います。どれも短編なので合間読書にもオススメです^^。

↓ネタばれ。
私的には、ですが、中でも印象深いのが『愛の手紙』(ジャック・フィニィ)でした。これはタイムトラベルものです。
私、SF小説についてまるで無知なので、映像作品との比較になってしまうけれど、何だか痛みの残るもの多いですよね・・・。「過去の物事・人に関わってはいけない」とかなんとか、ドク(バック・トゥ・ザ・フューチャー)が言っていたけど、やっぱ、それは鉄則なのですな。


同様のアンソロジーとして、宮部みゆき編の『贈る物語 TERROR 』、
綾辻行人編の『贈る物語 MYSTERY』があります。^^

後巷説百物語

著:京極 夏彦
出版社:中央公論新社

 

怖がりなのに見たがり。
子どもの頃から怪談話が大好きでした。日本のものも外国のものも。幽霊とか妖怪とか、その手の本は片っ端から読んでいた気がします。(『西瓜』とか『猿の手』とか・・・怖かったなあ~・・・()
それは今でも変わらず、“怪しい感じ”の本があると読まずにはいられません。夏はもちろん、春も秋も冬もやっぱり“ぞぞぞ”としたいのです(但し、本の中だけで^^;)。

大人になって少しだけ読書の幅が広がってくると、『幽霊』や『妖怪』といったハッキリと名前のついたモノ以外の恐怖が世の中にはあり、ひよっとしたら、そちらの方が本当は恐ろしいのではないか、と思うようにもなりましたが。


さて、今日は京極夏彦さんの『後巷説百物語』です。『巷説百物語』シリーズの3作目にして、完結編なのでしょうか・・・ね。

前作2冊の時代からどれほど時間が経っているのでしょうか。世の中は移り変わり・・・維新後10年という設定になっています。ですから、当然、かつての主人公達も老人だったり、既に亡き人になってたりするわけです。東京警視庁一等巡査の矢作剣之進らが持ち込む怪事件に、百介翁がブレーンとして・・・過去の怪事件、又市の仕掛けを語ることで解きほぐしていく、てな感じです。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
・・・の、名台詞が有名な、あの京極堂シリーズではないのですが、似た味がしなくもありません。憑物を落とすのか、逆に付けちゃう(?)のかという違いはありますけれども。どんな怪奇な事件でもタネを明かせば、やはり全て人のなせる業であり・・・という点で。
怖いなあ~
例えば猟奇的な殺人があったとして。
それは妖怪がやったんだとか、祟りだとか罰が当たったんだとか・・・納得した方がきっと心穏やかな気がしません^^;? 1話目の村が崩壊してゆく様を描いた話など、元になったお話をいつぞや読んだことがあるのですが(無論、現代語にされた“物語”として)、それは不信心が故の神罰という形でカタが付いていたのです。
しかし、京極さんは「でも実はね・・・ホントはね・・・」と、お話を続けてみせるわけです。この世には不思議なことはないのだと。
世の中、ちょっとくらい不思議なことがあった方がいいっすよ~・・・でないと怖すぎますもん。


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京極さんの本は初期の何冊かを持っているのですが、あまりにも本棚の中で存在を主張するので(押し花なんか楽勝ですよ!・・・嘘です^^;)、ブックオフに出したいのですが、何だかもったいなくて・・・。また京極堂シリーズが出ちゃうし。やっぱ、もう一回読んでからにします・・・

 

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