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おとなの(?)読書感想文。 絵本から児童書、時代モノ、how to本、ミステリーetc...。あなたの道標になったら幸いです。
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今日は最近、一番面白かったYAジャンルのドラゴンの話を。
思わず腰の引ける厚さの本ですが、意外に読みやすいです。秋の夜長、お供にいかがでしょう。

エラゴン 遺志を継ぐ者―ドラゴンライダー〈1〉
クリストファー・パオリーニ:著
大島双恵: (翻訳)

まず、驚かされるのは、漢語林並の本の厚さ!!
実際、半分くらいまでは…正直、あまりソソらないんだよね・・・
しかし。そのクドくて、あくびが出ちゃうような序章が、実はなくてはならないものだということに、後になってから気付くはず。
物語の舞台背景は以下の感じ。
ドラゴンを駆り、剣術に長けた種族であるドラゴンライダーの庇護の下、長きに渡り栄華をきわめた国アラゲイジア。が、たったひとりの裏切り者、ガルバトリックスによりライダー族は滅ぼされ、アラゲイジア国は衰退の一途をたどる。しかし、エルフ族、ドワーフ族らの手によって、密かにドラゴンの卵は守られていたのでした・・・。

ドラゴンに選ばれし運命のライダーは、タイトルにもなっているエラゴン。何といいますか普通の・・・情けない感じの男の子です。ライダーとしての、主人公エラゴンの修行が始まり、それがひと段落ついてからは、もう目が離せませんよ。
剣と竜と魔法の世界。
『指輪物語』を愛する方にオススメしたい、正統派のファンタジーです。

 

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アキハバラ@DEEP
石田衣良 (著)
出版社: 文藝春秋

今日は石田衣良さんの本を。
私が石田衣良さんを読み始めたのは、やっぱり「池袋ウエストゲートパーク」から。
…なのですが、今日は『アキハバラ@DEEP』他を。
読み始めてまず、思ったこと。ずっと頭から離れなかったこと。それは「オタクの定義って何?」であった。
物語の主要メンバーらは、それぞれが様々なジャンルにおいて、類稀なる才能を持っている。また、メンバーそれぞれが何かしらの“不都合”を抱えていたりもする。でも、それって普通に社会人・サラリーマンするにはマイナス要素かもしれないけど、ただ単純に「オタク」ではないような? メイド喫茶に出入りはしても(勤務はしてても)ソレっぽく見えず。
会社を立ち上げ、AIの開発、“誘拐”までは何とかついて行けましたが、後半、やけにSFっぽくなってきて…読むのキツクなりました。私の貧相な想像力ではとてもとても^^;。
この本が最初からSFとかファンタジーとして出されていたら、そういうつもりで読んだのにな。
ドラえもんが四次元ポケットから出す秘密道具だったら、ありえなくても納得できるんだけど・…^^;。

本日は4年生に読み聞かせ。
大急ぎで不燃ごみを集積所に出して、寝癖がついたままの頭で^^;学校へ。
前出の、『きつねのでんわボックス』と長 新太さんの『はんぶんタヌキ』を読みました。
 この『はんぶんタヌキ』。15分弱という読み聞かせタイムの中で、長さ的にもメインは『きつねの・・・』話、こちらは微妙に余った時間調整のつもりでしたが、何だかこちらが主役に^^;。
 はっきり言って、ヘンな本です。よーわからん。しかし子どもにはどーしたもんだか大人気。
「タヌキがばけますよ、ばけますよ」という決まり文句の後に、タヌキが木だの車だの・・・果ては恐竜だのに化けてみせる・・・のだけれど、何に化けても下半身はタヌキのまま。
(リアルな絵だったらきっと怖いと思う)
実はどこが面白いのかよくわからないまま、持って行っちゃったのですが、子どもの様子をうかがいながら読んでみると、笑いのツボと言いますか、なんとなーく、面白さがわかるような気がするから不思議です。


東京は豪雨です。風も強いし、寒ーい。
そんな悪天候の中、今日は5年生に読み聞かせしてまいりました!


 

『きつねのでんわボックス』 (作:戸田和代 絵:たかす かずみ 金の星社)
これはNHKの某子供向け朗読番組で、いつぞや取り上げられてたので、
知ってる方も多いのではないでしょうか。あらすじはこんな。

子どもを亡くしたばかりの母キツネ、遠くの町の病院にお母さんが入院し、
離れ離れに暮している人間の男の子。

夜毎、古い電話ボックスにやってきては、病院のお母さんの元へ電話を掛ける坊やの姿に、
亡くした子キツネを重ね、優しく見守る母キツネ。坊やと直接の交流はなくとも、母キツネの心は
温かく満たされるのです。

・・・でも、いつかそんな日にも終わりがやってきます。
(悲しい終わり方ではありません、ご安心を)

古い電話ボックスが最後の力をふりしぼって灯すあかりは、私の心も温かくしてくれました。
テレビで観た時は・・・なんだか号泣してしまいましたけど^^;
“お母さん”と呼ばれる方々に是非、オススメしたい本です。


『せいくんとねこ』 (作:矢崎節夫 絵:長 新太 フレーベル館)
いやはや、まったく勝手な話です^^。
魚が一匹。人間と猫とどちらに食べられた方が幸せか、という問題を、
ヒト目線、猫目線で話し合います。さて、魚の気持ちはどうなんでしょうね。


★さて、今年の夏は“魚”絡みの本を他にも何冊か読みましたので、そちらについても。

『いわしくん』 (作:菅原たくや 文化出版局)
見開き2ページに文章が1行といった簡潔さ&インパクトある絵が非常に目を引きます。
釣られて→港から運ばれて→売られて→食われる→そして・・・?
まあ、この話はヒトの立場で書かれてるので、魚は食われちゃって不幸という感じはしません。
別の形になって、別の命を生きる・・・食物連鎖なぞ示唆してると思われますが、
そういうことは子どもが自ら気付く、大人が頭の中だけであーじゃこーじゃ考えれば
ヨロシイことなので、子どもらには教えてあげませんでした。




 

『焼かれた魚』 (著:小熊 秀雄 パロル舎)
不幸だよ~捕まって食われたら、魚は絶対、不幸だよ~・・・と、思わずにはいられなかった本作。
絵本の体裁ですが、小さな子ども向きではありませぬ。大人のための童話です。
もう、皿にいきなり乗っている魚は、生まれた海を想い焦がれ、外の世界の様々な生き物達に
身体を分け与えながら、海を目指すのですが・・・。みんな、意地悪なんだよね。
折り悪く、その日、我が家の夕食のメニューは焼き魚でしたが、なんでしょう、この罪悪感^^;

それにしても、立場を変えると、悲劇にも喜劇にもなるんだなあ。
食べ物は何でも美味しくいただきましょうね、ってことで。


 

 子どもの頃から図書館という場所が好きだった。
本のにおい、冬の朝みたいにぴんと張り詰めた空気・・・
(ひょっとしたら本より、その雰囲気に魅かれていたのかもしれない)

 私は今までに5回の引越しを経験しているのだけれど、
交通の便もさることながら、図書館と書店が近所にあることも、
住む場所を決める重要なポイントになった。
恐らくは最後の棲家になるであろう今の家の側にも、図書館がある。

 さて。記念すべき、図書館日記の第1号は何を書こうか、と迷って・・・
私の読書の原点を。

『このつぎ なあに』 (作:山中恒 絵:栗田八重子 出版社:あかね書房)

・・・絵本ではなくて、児童書である。
発行年月日をみるに、姉の持ち物だったのを私が譲り受けたものらしい。
(・・・以来、30年弱。この本は今も私の手元にある)

これをやたら気に入って、母親が読んでくれるのでは飽き足らず、
幼稚園にまで持参して先生にも読んでもらった。
絵に派手さはないし、ちょっとさみしい結末なのだけど、子ども心に
「これで よいのだ」
と、思っていた(生意気にも)。

 今、小学校では“読み聞かせ”がさかんに行われている。
「読解力をつける」「心を育てる」・・・とかナントカ。
私も読み聞かせのボランティアメンバーだったりするのだが、その辺、
先生方にあまり期待はしていただきたくないと思っている。

やはり読書は娯楽だからして。
大人目線の「名作」はさらさらとこぼれるばかりだから。
心の琴線にふれる言葉はそれぞれに違うものだから。

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