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おとなの(?)読書感想文。 絵本から児童書、時代モノ、how to本、ミステリーetc...。あなたの道標になったら幸いです。
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「年齢性別不問。 1週間の短期バイト。ある人文科学的実験の被験者。被験者は24時間観察される・・・外部との接触は7日間一切禁止。時給1120百円(=11万2千円)」。

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 もし、こんなバイトの募集があったなら。

 新薬の人体実験? それともミルグラム実験? ・・・電流流しちゃったり、看守役と囚人役に分かれちゃったりするのかなぁ^^;?
 それが誤植にしたって、私なら絶対行かないところですが・・・。集まったメンバーは主人公の結城 理久彦を含む12人。女子にモテたいから車が欲しいだったり、生活苦で藁にもすがる思いだったり・・・程度の差こそあれ、色々とわけありの人々です。
 実験とやらが行われるのは地下施設であり、一本の梯子を使って地下へ降りて行く。つまり外界への入出口はそこだけ。一体、何をさせられるのやら・・・と不安に思う面々でありましたが、しかし、ひとりひとりに豪華な個室が与えられるわ、娯楽室も完備。衣食に関しても申し分なし。そこで「7日間、24時間モニターされる」のが彼らの仕事。ただし、各部屋、付属するトイレ、風呂に鍵はなし。そしてなぜか(必然的にだけど)古今東西のミステリになぞらえた武器がそれぞれに与えられる。
 さて、ここらで、オーナーより、規定の(法外な)報酬のほかに、ボーナス発生条件及び、減俸条件etcが放送、ルールブックで提示される。
 自分が持てる武器を他者にふるうこと(犯行がバレてはいけない)だったり、逆に探偵役として犯人を暴くことだったり。つまり誰かが事件を始めることなわけです。
仲良く平和に過ごそうね、って皆で約束したにも関わらず・・・事件は起こる。

・・・自分と被害者以外は皆が怪しい。
・・・しかし、そこは逃げたくても逃げられない地下施設。
・・・鍵の閉まらない部屋で過ごす夜は、恐怖以外のなにものでもない。
 

↓ここからはネタバレを含む、純粋な感想↓

 広さはともかく、密閉された空間に恐怖。それなのに脱出系ゲーム好きなのはMだからか。新発見だ・・・って、ウソウソ^^;。
 このお話、ページ数が足らなかったんじゃないかなぁ。。。例えば重要人物と思われた(勝手に私が思っていただけだが)メンバーのひとり、真木。「他殺体を見るのは初めてではない」という意味深な台詞を残し、早々に退場。ぶっちゃけ本編には関わりないからなんでしょうが。他の人は抱えている事情やプロフィールがそれなりに明らかになっていったので、その理由が気になる。ただ単に彼はそもそも犯罪者だったってこと?
 また、事件解決前に真の探偵役が現場から“離脱”したのはいい意味で予想外でしたが、その時点で初めて明かされた彼のプロフィール、都合よく感じられてしまったのが非常に残念でした。


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簡単に^^;。
 堂上について、柴崎曰く「しれっと恋人の顔をしてる」といった台詞が印象的。Ⅰについて、まったくその通りですな。そういう話です。
これまでのシリーズ同様、事件も起きているのですが、私的にはそれだけで十分だったかもしれない。
お伽話によくある「・・・ふたりは幸せに暮しましたとさ」というラストのなんと潔いことか・・・!

いやまー・・・お幸せに。

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