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おとなの(?)読書感想文。 絵本から児童書、時代モノ、how to本、ミステリーetc...。あなたの道標になったら幸いです。
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馴染の小さな図書館の書架には乙一のスペースはない。
・・・のだけれども、今日は「ZOO」が1冊だけ入っていた。「SEVENS ROOM」怖かったな~、なんて思いながら立ち読みして、本を戻す。今日は借りないよ。
館内をウロウロして…今度は乙一の文庫が目に留まった。
1冊だけ。SF小説に紛れて『失踪HOLIDAY』・・・・乙一。
文庫にも乙一コーナーはなかったけど、それだけがはさまっていた。


失踪HOLIDAY 失踪HOLIDAY
乙一 清原 紘

角川書店 2006-11-25
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表題作の前にいっこ、短編が入っている。
『しあわせは猫のかたち』。

いつものように、ネタバレてます。

表題作より、こっちがよかった。
不器用に過ぎる男の子と、刺殺された女の子の幽霊(?)との交流。
ラスト間際、雪村(幽霊である)が、男の子に宛てた手紙に泣く。私に送られたものではないというのに。 

私は後、何年くらい生き延びることが出来るのだろう・・・と考えた。
30も過ぎると、いくつかの死に出会う。望まなくても。

これまで、ハタチになる前に“不慮の事故”で、私はふたりの友人を亡くした。
ひとりは高校時代。亡くなったのは小学校の頃からずっと憧れていた男の子。雨の日、宅配のバイトの最中の事故。
もうひとりは専門学校時代の友人。一緒に行くはずだったライブの約束を果たせずに、事故で逝ってしまった彼女。私の手の中には2枚のチケットだけが残った。

私はどちらの葬儀にも出席しなかった。…いや、できなかった。
だから。今でも夢に見るのは当時のままの、彼、彼女の姿だ。辛い夢。でも、幸せな夢。
私は…オバさんになっちゃったよ。

若くして死ぬこと。予期せぬ死。

3年前、学校の行事でタイムカプセルを校庭に埋めた息子。
箱が開くのは2022年。
皆が、元気で開封の場に揃うことを切に願わずにはいられない。

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