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後巷説百物語
著:京極 夏彦
出版社:中央公論新社
怖がりなのに見たがり。
子どもの頃から怪談話が大好きでした。日本のものも外国のものも。幽霊とか妖怪とか、その手の本は片っ端から読んでいた気がします。(『西瓜』とか『猿の手』とか・・・怖かったなあ~・・・()
それは今でも変わらず、“怪しい感じ”の本があると読まずにはいられません。夏はもちろん、春も秋も冬もやっぱり“ぞぞぞ”としたいのです(但し、本の中だけで^^;)。
大人になって少しだけ読書の幅が広がってくると、『幽霊』や『妖怪』といったハッキリと名前のついたモノ以外の恐怖が世の中にはあり、ひよっとしたら、そちらの方が本当は恐ろしいのではないか、と思うようにもなりましたが。
さて、今日は京極夏彦さんの『後巷説百物語』です。『巷説百物語』シリーズの3作目にして、完結編なのでしょうか・・・ね。
前作2冊の時代からどれほど時間が経っているのでしょうか。世の中は移り変わり・・・維新後10年という設定になっています。ですから、当然、かつての主人公達も老人だったり、既に亡き人になってたりするわけです。東京警視庁一等巡査の矢作剣之進らが持ち込む怪事件に、百介翁がブレーンとして・・・過去の怪事件、又市の仕掛けを語ることで解きほぐしていく、てな感じです。
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
・・・の、名台詞が有名な、あの京極堂シリーズではないのですが、似た味がしなくもありません。憑物を落とすのか、逆に付けちゃう(?)のかという違いはありますけれども。どんな怪奇な事件でもタネを明かせば、やはり全て人のなせる業であり・・・という点で。
怖いなあ~
例えば猟奇的な殺人があったとして。
それは妖怪がやったんだとか、祟りだとか罰が当たったんだとか・・・納得した方がきっと心穏やかな気がしません^^;? 1話目の村が崩壊してゆく様を描いた話など、元になったお話をいつぞや読んだことがあるのですが(無論、現代語にされた“物語”として)、それは不信心が故の神罰という形でカタが付いていたのです。
しかし、京極さんは「でも実はね・・・ホントはね・・・」と、お話を続けてみせるわけです。この世には不思議なことはないのだと。
世の中、ちょっとくらい不思議なことがあった方がいいっすよ~・・・でないと怖すぎますもん。
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京極さんの本は初期の何冊かを持っているのですが、あまりにも本棚の中で存在を主張するので(押し花なんか楽勝ですよ!・・・嘘です^^;)、ブックオフに出したいのですが、何だかもったいなくて・・・。また京極堂シリーズが出ちゃうし。やっぱ、もう一回読んでからにします・・・